自己破産(個人破産)

自己破産、身分証明書に記載されるのは、例外的ケースのみ

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前回までの記事

自己破産をしても、戸籍には、一切、記載・記録されない

自己破産をしても、住民票には、一切、記載・記録されない

で、自己破産をしても、免責許可を受けても、

  1. 戸籍には載らない
  2. 住民票にも載らない

というお話をさせていただきました。

引き続き、各種証明書に載る・載らないについて、解説していきたいと思います。

今回は、「身分証明書」という証明書のお話です。

身分証明書については、一般になじみのない証明書になりますので、

そこから説明していきたいと思います。

身分証明書は、免許証やパスポートなどの本人確認書類とは異なる

身分証明書というと、「ああ、パスポートとか免許証ね。」と思われる方が、

多いのですが、法的な意味で「身分証明書」というと、

上記のような本人確認書類とは、まったく異なる書類となります。

身分証明書は、本籍地の地方公共団体で発行される

身分証明書とは、本籍地の地方公共団体が発行する証明書の一種です。

「身分証明書」という名称の証明書が実際に存在するということです。

本人確認書類をまとめてそのように呼んでいるのではありません。

自治体によっては、身分証明書ではなく、

「身元証明書」と呼んでいるところもあります。

ただ、証明の対象となる事項は、全国共通です。

身分証明書で、証明される事項

身分証明書で証明されるのは、以下の3項目に限定されます。

  1. 禁治産又は準禁治産の宣告の通知を受けているか否か
  2. 後見の登記の通知を受けているか否か
  3. 破産手続開始決定の通知を受けているか否か

ですので、上記3.の通知を受けた場合に該当する方が、

身分証明書の発行を申請した場合には、当該証明書に、

「破産手続開始決定の通知に接した」旨が記載されることになります。

証明書には、通知に接したか、接しないか、という形で、

記載されることになります。

ですので、厳密にいえば、

「通知に接した事実の有無」を証明しているのであって、

「破産手続開始決定の有無」を証明しているわけではありません。

破産手続が開始されても、本籍地には、ほとんど通知されない

上記で解説した証明事項から、お分かりのとおり、

破産手続が開始されたとしても、その旨の通知が本籍地にされなければ、

身分証明書には、「破産の通知に接しない。」としか記載されません。

ですから、身分証明書上は、破産をしたことがない方と全く区別がつきません。

今まで述べてきたところから、「通知の有無」が非常に重要だということが、

お分かりいただけたと思います。

そこで、どのような場合に、破産手続開始の通知がなされ、あるいは、

通知がされないのかについて、解説していきたいと思います。

破産手続開始決定の通知がされるのは、例外的

実務上、破産手続開始決定の通知がされるのは、例外的な場合に限られています。

具体的には、以下のような場合です。

  • 破産手続開始決定が確定した後も、免責許可決定の申立てがない場合
  • 免責許可決定の申立てが取下げになった場合
  • 免責不許可の決定が確定したとき
  • 免責許可の取り消しが確定したとき

他にも、細かいケースは考えられるのですが、要は、

破産をした後、免責が許されなかった場合や、

しばらく免責になりそうもない場合に限って、

通知がされるという運用になっているということです。

上に挙げたケースは、相当なレアケースです。

弁護士が代理をしているケースでは、まず考えられません。

ですので、今回の記事では、

身分証明書には、「破産の通知に接した」旨が記載されることがあるが、

破産の通知をされるのは、非常に特殊なケースに限定される

というところを抑えていただければ良いのではないでしょうか。

それでも、不安だという方、破産手続中に身分証明書を提出する予定がある方などは、

事前に弁護士に相談されることをお勧めします。

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